TriggerFrustration and betrayal

挫折と裏切りの学生時代
Chapter-2
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04

挫折をキッカケに、世界が変わった

相変わらず、生きにくさや自分を嫌いだと思う自分と付き合っている中で、大学4年生のときには、予想もしない挫折を味わいます。
父や叔父が学校の教員で、祖父からも「教師か医者になれ」と言われ育った私はその思考の枠組みからはみ出ることなく、教育学部に入り、教育実習などもこなし、学校の先生になることが正解なのだ、それが自分の夢なんだと思い込んでいました。
それにもかかわらず、4年生の冬、取得できるはずの、小学校免許・中学校免許のうち、小学校免許は取得できないことが判明したのです。
体育科目の鉄棒で、さかあがりの連続まわりがどうしてもできないというたった一つの項目のために、小さな頃から目指してきた小学校免許を諦めなくてはなりませんでした。

社会には、自分の意志や努力だけではどうにもならない事があることを初めて体験しました。
しかしこの体験が、私が、幼少期から縛られていた何かから解き放たれるきっかけになったのです。
学校の先生以外の職業を知りたい、と自発的に思うようになり、見る世界が一気に変わりました。

私のこれまでの判断基準は、「これをしたら父はどう思うかな」「こう言ったら母も賛成するかな」「祖父は怒るかな」でした。
両親や祖父にどう思われるか、なにが正解か、私を占有してきたのです。

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05

人の役に立つことの充実感を味わう

小学校免許がとれないとわかったその時期は、ちょうど、大学4年間続けてきた居酒屋のアルバイトが面白くて仕方ないとき。
常連様の好きなお酒を、お客様に言われなくても差し出したり、その日のおすすめを自分の言葉で本当においしそうに説明したり、領収証の会社名を暗記するのも得意でした。
お客様がメニューを広げたら、「すみませーん」と呼ばれなくてもちょうどいいタイミングでオーダーを取りにいくと、笑顔で喜ばれたりして。

常連様が帰るときだけ、のれんの外までお見送りした後、店長に「ありがとね」と言ってもらうのが励みでした。
自分の仕事がお客様に喜ばれると、お客様が「のりちゃん来たよ!」とリピートする。
自分が、気を利かせて行動すると、オーダーが増えて売り上げが上がる。
1日の売上が30万円を超えると、店長は安堵の表情で達成感を得ているようでした。それを見ると、大学生ながらも役に立っている実感がありました。

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06

家族の期待を裏切り、希望する仕事へ

そんな私は、もう少しで本当に就職先を決定しないといけないというギリギリの時期にさしかかったとき、両親と祖父の期待を裏切りました。
学校の先生になる、という長年夢だとしてきたことを捨て、<お客様を相手にするサービス業に就きたい>という自分の中に芽生えた気持ちに向き合うことにしたのです。
両親と祖父には、事後報告で「お客様第一主義だという消費者金融の会社に就職するよ」と告げました。
祖父の理解は得られず、落胆のあまり口を利いてもらえませんでしたね。
いつも家族の顔色を気にし、判断をそこに委ねてきた私が、社会人になると同時に、そのしがらみ思考を突破し始めました。
いつも、そして今も感じているのは、<一生懸命だけど中途半端な自分><見せかけだけで、結果の出せない自分>。