EncounterThe reason for work

プリザーブドとの出会い
Chapter-4
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プリザーブドフラワーとの出会い

2003年だったでしょうか。
ある日、私は、プリザーブドフラワーというものに出会うことになります。
「プリザーブドフラワーという新しいものがあるそうで、すごく興味があるのだけど、私の代わりに体験教室に行ってきてくれない?」という、車の運転ができない母からの頼みがきっかけでした。
私はその、枯れない魔法の花であるという、プリザーブドフラワーに興味があったわけではないけれど、<静岡に初上陸>という文字には惹かれました。
出向いてみると、そこには、不思議な光景が待っていたのです。
本物の花なのに、枯れない。もう生花ではないのに、美しくて柔らかい。
衝撃を受けました。その優しさと美しさだけでなく、見たことのない目新しさが、私を揺り動かしました。
母の代わりに来たはずの体験教室でしたが、その帰りには、<資格取得コース>なるものを申込み、「これを仕事にして静岡で一番になろう!」と決めました。

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なぜ、この仕事をしているのか

それからというもの、チャレンジ精神と継続力、忍耐力で、3人の先生に師事し、静岡のみならず、東京、千葉、神戸などで修業を続け、プリザーブドフラワーの専門家として、走り始めました。
自分で勉強をし続けながらも、スクールを開校し、生徒さんを持つようになりました。プリザーブドフラワーを扱う中で、私の気持ちが少しずつ変化していったのです。

もともと、とりたてて花が好きだったというわけではありません。
出会ったとき、フラワーデザイナーとしてトップになろう、という感覚ではなく、「これだ!」という直感やひらめきに似たものからのスタート。

この花に出会ってから、私は今に至るまでの毎日、この花にできることは何だろう、私はどうしてこの花を愛しているのだろう、この仕事がもたらすものは何だろう、なぜ私はこの仕事をしているのだろう、毎日のように自分にたえず問いかけてきました。

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自分の使命へたどり着くまで

居酒屋のアルバイト時代も、セールス2位だった会社員時代も、もともと、忍耐と続ける力を、培ってきたほうなので、やるからにはとことんやって、トップになりたいと思ってきました。
でも、雇っていただいていたそれまでと違うのは、自分しか道を切り開けないこと、誰も売り方を教えてくれないこと、お客様は0人からのスタートだということ。たくさんのハードルがあったのです。

花を作っては、売ってもらう場所を探して、レストランや、洋菓子店に飛び込みました。
花の行商です。百貨店にもアポなしで、花をたくさん担いで飛び込み、色々なフロアを回されました。展示会や、即売会と聞けば、屋外のテントでプリザーブドフラワーを並べたことも何度もあります。いつもチャレンジでした。

販売する場を何十か所も経験し、生徒さんが増え、カルチャー教室の講師もやり、百貨店でも出店させてもらい、プリザーブドフラワーを多くの人に見て触って頂けるようになってきたとき、あることに気付きました。
それは、手にとる人たちは、自分のためでなく、誰かを想いながら手にとっているということ。
花自体が欲しいのではなく、花を使う用事をイメージしていること、もっと言えば、花の先には喜ばせたい誰かがいることでした。

プリザーブドフラワーの専門家である私の使命は、プリザーブドフラワーの普及とか、花の制作テクニックを教える事ではないことが、日に日に明確になっていきました。

インターネットで贈り物の注文を募り、手づくりのチラシをポスティングし、スクールの生徒さんも100名を超えてきたころ、私は、のちに必ず店舗をもってもっと誠実にこの仕事を広めよう、と決心する出来事に遭遇します。

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店舗をオープンして出会った、お客様の想いの数々

ある時、オーダーメイドで、結婚式のブーケ制作を依頼してくださった親子がいらっしゃいました。
お嬢様の結婚式に、ブーケをプレゼントしたいというお母様からのご依頼です。

ご要望どおりにお作りし、納得のいくようなものが完成し、その納品日にお母様がおみえになりました。
想像以上だわ!と満面の笑みで喜んでくださり、頼んで良かったとおっしゃって頂きました。
しかし、帰り際に一言。
「ちゃんとしたお店だったらもっと高いでしょうに、安くて助かったわ。」と。
どんなに品質やデザインが良くても、リーズナブルで嬉しいと思ってくださっても、<ちゃんとしたお店ではない>と思われていることに、ひどく肩を落としました。
「早く、自宅サロンを抜けなくては!どうしてもお店が欲しい!」
この言葉が、強くそう思うようになったきっかけでした。

それからというもの、その2年後に店舗を建てる運びになり、2013年9月26日に、念願のオープンを迎えます。
これまで接してきたお客様の数やご注文いただいた数の、何倍もやらせて頂けるようなり、店舗オープン以来、述べ4900件以上のオーダ―メイドを手掛けてきました。

これは、作ったお花の数、というだけでなく、出会ったエピソードの数。
そして、託された想いの数。誰かと誰かをお繋ぎする役目なのだ、と思うようになりました。
この頃からでしょうか。気づいたら、私は、自分を心から信じ、自分を肯定し、自分を好きだと、胸を張っていえるようになっていました。

生きにくいな、と感じ続けてきた学生時代があったにもかかわらず、生まれ変わってもまた自分に生まれたい、生まれ変わってもこの仕事をしたい、今ではそう思っています。
人は、自己愛に満たされることが、こんなにも大切なのだと実感をもって気づきました。生きているからには、1年1年、どんどん楽しく、ますますイキイキと生きなくてはいけない、そう強くイメージするようになりました。